こどもが夜中に突然熱を出しました。どうしたらよいでしょうか。
熱が高いだけであわてる必要はありません。
こどもはよく熱を出します。熱の他にどのような症状があるか観察して下さい。 |
- 呼吸が苦しそう
- 意識状態がおかしい(眠りがちである、受け答えがおかしい等)
- 顔色が非常に悪い
等の症状がある場合は、救急の診療が必要かも知れません。
熱以外に症状がない場合は、身体を冷やして、水分を多めにとらせて様子を見ましょう。
本人がつらそうな場合、手持ちの解熱剤があれば使っても構いません。
身体の冷やし方はいろいろあります。今は、ヒエピタシートなどが普及していますが、熱を下げるのにはあまり効果がないと思います。
薄着にさせて、アイスノン、ビニール袋に氷水を入れたもの、凍らせたおしぼりタオル等を、脇の下にストッキングでたすき掛けに背負わせたり、子ども用のリュックに入れて背中に背負わせたりする方法などが、効果があると思います。
厚着をさせたり、毛布でくるんだりするのは絶対にやめましょう。
熱の発散が妨げられ、脱水におちいりやすくなってしまいます。 |
解熱剤は使わないほうがよい、ときいたことがあります。使っても大丈夫なのでしょうか。
私の個人的な考えですが、熱が高くてつらそうなときには、使って楽にしてあげるのが良いと思います。その方が、水分がとれて脱水が防げたり、食欲がでたりして、体力が保てるからです。しかし、解熱剤の使い方には注意が必要です。 |
解熱剤として処方される薬の中にはいろいろ種類があります。
小児科で処方される解熱剤の多くはアセトアミノフェンという薬です。(アルピニー座薬、アンヒバ座薬、カロナールなど)
大量に使えば肝機能障害などの副作用はありますが、使用方法(1日2〜3回、6時間以上あけて、など)を守ればあまり問題になることはありません。他に、イブプロフェン、プラノプロフェンなども使われることがあります。
他に、メフェナム酸(ポンタール)、ジクロフェナックナトリウム(ボルタレン)、アスピリンなどの薬がありますが、これらは、特定の疾患(インフルエンザ、水痘など)に使うと脳症や脳炎の悪化につながるかもしれないというデーターがでており、慎重に使用すべきであると思います。また、使い方によっては低体温になることがあります。
解熱剤は、病気を治す薬ではありません。発熱は、症状としては目立つものではありますが、熱を下げても、感染症自体が直るわけではありません。熱を下げないほうが、白血球がウイルスや細菌と戦う力が強くなって早く病気が治る、という考えもあります。
しかし、熱が高くてこどもがふーふー言っているのを見るのは親としても不安が募るでしょうし、はじめに書いたように脱水症などの誘因にもなります。使い方に注意して、上手に病気を乗り切れるように手伝ってあげる、という考え方で、解熱剤を使用してあげるのが良いと考えます。 |