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任意の予防接種について |
[水痘とおたふくかぜ] 2001.3
水ぼうそうとおたふくかぜのワクチンはやったほうがいいのでしょうか。やってもかかってしまうことが多いようなことをききました。副反応もあるようなので心配です。
水痘の予防接種は副反応があまりみられません。 |
免疫力が非常にひくいお子さんの場合、軽症の水痘になる場合がありますが、ごく稀です。ワクチンをやったお子さんも水痘にかかってしまうことはありますが、水疱の数は少なく、治癒までの期間も短くすむことが多いです。アトピー性皮膚炎など、皮膚の弱いお子さんには是非受けていただきたい予防接種です。また、水痘の脳炎、肺炎などの例もあります。万が一の重症化を防ぐためには予防接種により抗体をつけておくと良いと思います。
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おたふくかぜの予防接種も、私は接種をお勧めしています。 |
おたふくかぜは自然感染すると、10%の人に髄膜炎、0.05%の人に難聴を起こすといわれています。おたふくかぜのワクチンは生ワクチンで、本来のウイルスが持っている性質が弱いながら残っているため、副反応として、発熱、耳下腺腫脹を接種後2〜3週で起こすことがあり、また、髄膜炎を起こすこともあります。
しかし、現行のワクチンによって髄膜炎になるのは5000〜8000人に1人といわれています。おたふくかぜに自然感染して髄膜炎になるのが10人に1人であることを考えると、ワクチンをうけて予防したほうが安全であると考えられます。
おたふくかぜワクチンには卵の成分が含まれています。卵に非常に強いアレルギーをおもちのお子さんは、接種に注意が必要です。
おたふくかぜワクチンを受けてもおたふくかぜにかかってしまうお子さんもいますが、程度は軽く、症状も早くに消失するようです。 |
以上は、私の考え方です。いずれのワクチンも、接種のメリット、デメリットがあり、絶対にこのようにするのがよい、という方法はありません。接種をするかどうか決めるのは、最終的には、お子さんのことをいちばんよくわかっていらっしゃるご両親です。お子さんのためには何がいちばんよい方法かいろいろ検討して、わからないことは主治医に質問して納得してから接種を受けるようにしてください。 |