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おたふくかぜ
2001.3
今年の冬は、インフルエンザの流行がとても少なかったです。
インフルエンザが流行しなかった理由として、湿度が高かったことがあるそうです。
1月末に雪が降りましたよね、雪は一度積もるとしばらくはとけませんから、そのために、いちばん流行が広がる時に適度な湿度が保たれ、大流行が阻止できたらしいです。
2月末より、少しインフルエンザの患者さんの数が増えてきて、3月になっても患者さんは増えています。A型とB型ほぼ同じくらいの数の患者さんがいます。まだしばらくは、油断禁物です。
今日は、おたふくかぜの話をしましょう。近隣の幼稚園で少しはやっているようです。
おたふくかぜは、ムンプスウイルスの感染によって起こります。ムンプスウイルスは患者からの飛沫感染によって起こります。30〜40%は不顕性感染(感染しても症状が出ない)だといわれています。
潜伏期間は2〜3週間。耳の下、あごの下の唾液腺が腫れます。全部同時に腫れる場合もあるし、片側がまず腫れ、徐々に他のところが腫れてくる場合もあります。発熱は病初期に2〜3日見られることが多いです。
腫れ始めは痛みが強いようです。唾液腺から唾液が出るときに痛みがあるので、味の濃いもの、酸っぱいものなど、唾液がたくさん出るような食べ物は避けるようにします。
耳下腺、顎下腺の腫れがひいたら、感染力はなくなったと考えます。1週間前後かかります。
治療は特になく、痛みが強いときに解熱鎮痛剤を使う程度です。自然に回復してきます。
合併症
おたふくかぜの合併症でもっとも多く、注意が必要なものに髄膜炎があります。
症状としては激しい頭痛と吐き気を訴えます。耳下腺の腫脹が落ち着いたころに症状が出てくることもあり、注意が必要です。おたふくかぜの患者さんの10%程度に合併します。軽いものでは安静のみで回復しますが、症状が強い場合は、髄液をぬいて圧を下げたりする治療や、脱水症の治療が必要になる場合もあります。
もう一つ、注意が必要なのは難聴です。0.05%の患者さんで合併するというデーターがあります。おたふくかぜの後は、しばらくはお子さんの聴力に気を配ってあげてください。
睾丸炎、卵巣炎は有名ですが、こどもでは稀です。膵炎(激しい腹痛)をおこすこともあります。
反復性おたふくかぜ?
1回おたふくかぜにかかったのに、また耳下腺が腫れてきた、という患者さんが時々います。おたふくかぜに2回かかることはありません。ムンプスウイルス以外のウイルスによっても、耳下腺が腫れることはあるのです。
また、頻繁に耳下腺腫脹を繰り返す場合、反復性耳下腺炎という病気の場合があります。口の中の細菌が唾液腺に逆流して耳下腺炎を起こします。場合によっては、唾液腺造影という検査をして、診断を確定しなければならない場合もあります。抗生剤の内服が効果があります。
予防
おたふくかぜは、発症する2日くらい前から人にうつしやすい状態になります。
ですから、隔離によって感染を防ぐのは難しいです。
おたふくかぜのワクチンは、効果があります。副反応もありますが、リスクと効果を考えるとワクチンを受けることはお勧めします。(ワクチンについての詳しいことは今月の小児科Q/Aも参照して下さい)
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