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麻疹U 2002.1
皆さんすてきな新年をお迎えのことと思います。年末までの大混雑の外来がうそのよう、1月になってからの外来は、とても落ち着いています。
インフルエンザの便りがポツポツきこえてきています。溶連菌も流行ってきています。
冬本番はこれからでしょうか。

今日は、麻疹のことを、再びお話したいと思います。
年末から、医院の近所の保育園で麻疹が小流行をしています。
流行のはじまりはワクチン未接種の乳児でしたが、その後、ワクチンを接種している年長児にまで拡がっています。
麻疹の症状
麻疹は、発熱、咳、鼻汁、眼脂の症状ではじまります。はじめは発熱だけで、3〜4日後に体に発疹が出てきます。発疹がでる24時間くらい前から、コプリック斑という白い発疹が口の中にでてきて、このときはじめて麻疹であるという確定診断ができます。
発疹がでる前は、麻疹に特徴的な症状がなく、他のかぜと区別がつきにくいのですが、感染力はこの時期(発疹がでる前の発熱期;カタル期)にもあります。
熱は7日程度で下がってきます。

合併症
麻疹の合併症として、多いものは、肺炎、中耳炎等です。麻疹ウイルス自体が肺炎を引き起こすこともありますし、2次感染として、細菌性肺炎、中耳炎をおこすこともあります。
また、脳炎は1000人に1人の割合でみられます。また、SSPEという、麻疹罹患後数年で発症してくる進行性の脳炎も10万人に1人の割合でみられます。

麻疹ワクチン
このホームページでも、麻疹のワクチンについて、早く受けることを繰り返しお勧めしてきました。麻疹は大変こわい感染症です。
こどもに麻疹の抗体をプレゼントするつもりで、接種可能な年齢になったら、一日もはやく予防接種を受けて下さい。

しかし、ワクチンをうけていても麻疹に罹患する子がいることも事実です。

麻疹ワクチンは、12ヶ月以降のこどもに接種すると95%のお子さんで抗体上昇がみられます。ワクチンによって獲得された抗体は、麻疹の患者さんと接触すると高くなり、効果が持続します。しかし、麻疹のお子さんと接触することが少なくなった今、ワクチンの効果は接種後年数が経つと下がってきてしまうことが考えられます。抗体が低くなったところで麻疹のウイルスと接触すると麻疹にかかってしまうことがあります。
でも、ワクチンをやっていれば麻疹は軽くてすむのは確かです。
卵アレルギーがあっても、ほとんどの場合は接種が可能です。

アメリカ、イギリスでは、麻疹のワクチンは2回うつことが義務になっています。
私の医院でも、麻疹のワクチンは2回接種を勧めています。(1回の接種は自費になってしまいますが)
日本も、はやく公費で複数回の接種ができ、確実な免疫をつけることが可能になって欲しいと思います。

乳児の麻疹
1才までは、お母さんからの免疫があるから麻疹にはかからない、と考えていらっしゃる方も多いと思います。でも、1才以下の小さな子でも、麻疹は感染することがあります。
お母さんが、実際麻疹にかかったことがなくて、ワクチンで免疫を保っているような場合、血液の中の抗体値が低いため、お母さんからもらえる抗体も少なくて、はやいうちから麻疹に感染してしまうのではないかと思います。
抗体がない状態で、乳児が麻疹にかかると、自分でウイルスと戦う力は弱いですから重症化しやすく、合併症も多いです。
ですから、保育園など集団生活にはいるお子さんは、8ヶ月くらいで麻疹ワクチンを受けたほうが良いかもしれません。その場合、十分に免疫がつかない可能性があるので、2回目のワクチンは2才くらいでもう一度やったほうが良いと思います。

麻疹と接触したら
麻疹の患者さんと接触してしまったら、どうするか・・・・。
ワクチンを受けていれば、万が一発症しても軽くすむので、気をつけて様子を見ましょう。
10日〜12日が潜伏期、といわれていますので、その頃発熱した場合には麻疹と考え、受診して下さい。その場合、院内感染の問題があるので、必ず麻疹かもしれない、と連絡を下さい。
ワクチン未接種の場合、接触してから72時間以内に麻疹のワクチンを受ければ、軽くすむか、運が良ければ発症しないですむ可能性があります。
γグロブリンという血液製剤も効果がありますが、血液製剤のため、使用が多少ためらわれます。
ワクチンを受けていない乳児に麻疹を感染させないよう、ワクチンを受けられる年齢の子のワクチン接種100%とし、ポリオや天然痘のように、麻疹という病気を日本からなくしていけるように努力しなければなりません。

新しい予防接種情報(平成19年10月現在)については、
記事「麻疹の予防接種」をご覧下さい。


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