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麻疹の予防接種 |
2007.9 昨年、今年と千葉市では麻疹の流行がみられました。特に今年は、首都圏の大学を中心に麻疹が流行し、休校措置などがとられたことは皆さんの記憶に新しいと思います。
麻疹という病気が、過去のもの、とか、こどもの病気、と思われていた方は、このニュースに驚かれたのではないでしょうか。 |
千葉市での今年の麻疹の患者さんを分析すると、ワクチン接種済で罹患している人が、ほぼ7割です。この傾向は、昨年も見られていました。
麻疹のワクチンは、効果がないのでしょうか?いえ、決してそうではありません。
予防接種をうけてから時間が経つと、抗体が下がってきますが、麻疹のウイルスが入ってくると、抗体はすぐに上昇するため、通常は発症を防御できます。しかし、長期間麻疹ウイルスと出会わないと、抗体が下がりすぎてしまい、防御できなくなって、麻疹が発症してしまうのです。このような場合、麻疹の症状は、ワクチンを受けていない場合より軽く済む場合もありますが、感染力は強いため、感染が拡がってしまうのです。 |
WHOは、世界からの麻疹根絶をめざしています。日本を含む西太平洋地域では、2012年までに麻疹根絶するという目標が突きつけられています。これを実現するのは、現状ではたやすいことではないと思われます。このような状況に、国も、ようやく、危機感を持ってくれたのでしょうか、今後、麻疹の予防接種が変わる予定となりました。 |
平成18年6月から、麻疹と風疹のワクチンが2回接種となり、1才と小学校入学前の2回、麻疹風疹混合ワクチンにて接種を受けることになったのは、御存じの方も多いと思います。それに加え、今年8月には、中学校1年生と高校3年生に接種を行う、という方針が発表されました。現行制度で接種対象にならない年代への、キャッチアップ接種という形です。この接種は、平成20年4月から実施される予定です。まだ、どのような形で接種していくことになるか、具体的なことは発表されていません。ぜひ、この機会を利用して、麻疹の2回目のワクチンを受けて下さい。 |