病気と予防

アデノウイルス感染症

2014.6 記

アデノウイルスとは
アデノウイルスは、かぜ(上気道炎)胃腸炎、結膜炎、膀胱炎、股関節炎など、様々な症状をおこすウイルスです。
50種類以上の型があるため、免疫がつきにくく、何回もかかることがあります。

上気道炎
アデノウイルスで最も典型的な症状は、扁桃腺炎です。

扁桃腺に白苔(白い膿のようなもの)がついて、高い熱がでます。のどの奥の壁には<イクラのような>リンパ節の腫れがみられます。
結膜炎を合併した咽頭結膜熱(プール熱)になることもあります。
一方、咳や鼻水などの普通のカゼ症状のときもあり、他のウイルス性のカゼや、溶連菌などの細菌感染症と区別がつきにくいことも多いです。
ウイルスは、咽頭を綿棒で拭って迅速診断という方法で確定することができます。熱の原因を探るためには有効な方法ですが、わかっても、特に有効な治療法があるわけではありません。
発熱期間は比較的長く(2~10日、平均5日)、血液検査で白血球が多かったり、炎症反応(CRP)が高かったりと、重症な細菌染症と区別がつきにくいです。

治療としては、いわゆる対症療法が中心となります。ウイルスなので抗生物質は効きません。水分をしっかり摂って、あまり辛そうだったら解熱剤を使ったりして、熱の期間をのりきりましょう!

 

胃腸炎
アデノウイルスは胃腸炎の原因にもなります。ロタウイルスと同じように白色便を呈することもありますが、症状はロタウイルスにくらべて軽いです。便でウイルスを調べることができます。発熱を伴うことも多いです。整腸剤などをのみ、脱水にならないように注意しながら、回復するのを待ちます。

 

結膜炎
咽頭結膜熱、流行性角結膜炎などがあります。流行性角結膜炎を起こすアデノウイルスは、上気道炎、咽頭結膜熱などをおこすウイルスとは型が違い、感染力が非常に強く、角膜結膜の症状も非常に強いです。

 

その他
出血性膀胱炎、肺炎、脳炎などをおこすこともあります。7型が流行すると、重症な肺炎の子どもが増えるので注意が必要です。

感染経路
アデノウイルスは人から人へ感染します。感染力は大変強いです。咳や鼻水の飛沫で感染します。咽頭結膜熱のように、結膜からウイルスが入り込んでくることもあります。ウイルスは便の中に排泄されるため、便から感染することもあります。
保育園や病院など、小さなお子さんが集団になっている場所では、世話をする人たちの手や衣服を介して感染が拡がることもあります。

流行の時期・潜伏期間
アデノウイルス感染症は、年間通してみられます。アデノウイルスは発症最初の数日でウイルス排泄が多いですが、その後、数週間にわたってウイルスを排泄します。潜伏期は、上気道炎で2~14日、胃腸炎で3~10日です。

予防
感染を防ぐ方法に特別なものはありません。
頻回の手洗い、下痢の子のおむつ替えは手袋を使う、などの注意で、感染は減らすことができます。
プールでの感染は、プールの塩素消毒をこまめにやることで防げます。

保育園、小学校などの登校登園基準は、解熱後2日を経過するまで、となっています。具合が悪いときは、周りにも感染しやすい時期でもあります。しっかり休養をとることが大切ですね。

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